スタッフブログ
2025.11.29
人々のつながりとあたかさに守られた7日間
11月も終わりを迎え、冬の気配が近づいてまいりました。
はじめまして。経理課の表です。
今回は、輪島で過ごした時間に、心に残った出来事をお話しいたします。
お正月には總持寺へお参りし、そのまま千枚田の近くの温泉宿に向かうのがいつもの形でした。宿に入ったところで大きな揺れがあり、旅館はそのまま避難所となりました。ほどなく道路が寸断され孤立する中、スタッフの方々はご自身も被災されていながら、宿を整え、灯りをともし、静かに支えてくださっていました。
二日目には自衛隊の先遣隊が安否確認に訪れ、六日目にはヘリが物資と共に元気を届けてくれました。その頃には、避難されていた方々の表情が少しやわらいだように見えました。
帰る方法を探して海沿いを歩いた際、足元が不安定になった私に、ひとりの青年が手を差し伸べてくれました。
その温かさは、今も静かに心に残っています。
帰る朝には、歩きにくい道を進む私たちに、おかみさんが長靴や防寒着をそっと用意してくださり、「お気をつけて」と送り出してくださいました。帰る家のある私たちを、帰る家を失われた方々が笑顔で見送ってくださったことは、今も忘れられません。
輪島での時間は、人がさりげなく支え合う姿に触れる機会でもありました。
あの日のあたたかさを胸に、これからも患者さまや仲間に静かに心を寄せていきたいと思います。
